2024年度版|大学生向けにやさしく解説
学校法人ノートルダム女学院の財務状況と将来性をわかりやすく解説
「ノートルダム女学院って、就職先として安定しているの?」「大学の経営は大丈夫?」 そんな疑問を持つ大学生向けに、2024年度の事業報告や収支データをもとに、 今の経営状況とこれからの見通しをできるだけわかりやすく整理しました。
財務の話ってむずかしそう…。
大丈夫!この記事では、「学生が集まっているか」「お金の面で無理していないか」を中心に見ていくよ。
この記事の結論を先に言うと…
- 教育の中身や改革の動きには評価できる点がある
- ただし、大学の入学者数がかなり厳しい
- さらに、本業の赤字が大きく、2024年度は前年度より悪化
- 今後は学部再編・募集回復・規模の見直しがカギになりそう
1.学校法人ノートルダム女学院ってどんな法人?
学校法人ノートルダム女学院は、京都にある伝統的なカトリック系の学校法人です。 運営しているのは、大学だけではありません。中学・高校・小学校まで含めた 総合的な教育法人です。
基本情報
| 法人名 | 学校法人ノートルダム女学院 |
|---|---|
| 所在地 | 京都府京都市左京区下鴨南野々神町1 |
| 理事長 | 和田 環 氏 |
| 設置校 |
・京都ノートルダム女子大学(大学・大学院) ・ノートルダム女学院中学高等学校 ・ノートルダム学院小学校 |
ノートルダム女学院は、「一人ひとりを大切にする教育」を重視している法人です。 教育理念そのものはとても魅力的ですが、学校経営では 理念があるだけでは足りず、実際に学生から選ばれるかが大切になります。
2.いちばん重要なポイントは「入学者が集まっているか」
学校法人の経営を見るとき、まず確認したいのが在籍者数です。 なぜなら、学生・生徒・児童が集まらないと、学費収入が減ってしまうからです。 これは企業でいう「売上」に近いイメージです。
2024年5月1日時点の在籍状況
| 区分 | 入学定員 | 在籍者数 | 1年次充足率 |
|---|---|---|---|
| 大学院 | 25 | 26 | 48.0% |
| 大学(学部計) | 330 | 881 | 56.4% |
| 中学高等学校 | 336 | 486 | 44.9% |
| 小学校 | 160 | 606 | 63.8% |
| 総合計 | 851 | 1,999 | 53.0% |
特に気になるのは大学の1年次充足率56.4%です。
これは、定員330人に対して、実際の入学者がかなり少ない状態を意味します。 大学経営では、かなり厳しい水準と見てよいでしょう。
定員割れって、そんなに大きな問題なんですか?
はい。学費収入が減るので、人件費・施設費・教育費を支えるのが大変になります。
3.大学部門はなぜ厳しいの?
レポートを見ると、大学では学生募集にかなり苦戦していることがわかります。 特に新しい施策として用意された分野でも、思ったほど志願者が集まっていません。
大学部門で見えてくる課題
- 大学の1年次充足率が56.4%と低い
- 新しい施策でも、志願者増につながっていない部分がある
- 推薦・総合型選抜の比重が増えると、入試が複雑になりやすい
- 学生募集の不振が、法人全体の財務に影響しやすい
つまり、今のノートルダム女学院は 「教育内容をよくしよう」と頑張っている一方で、学生募集が追いついていない という状態です。
4.事業活動収支計算書から見る「お金の流れ」
次に見たいのが、学校法人の本業のもうけ具合です。 ここで重要なのが「事業活動収支計算書」です。 これは、学校が1年間でどれだけ収入を得て、どれだけ支出したかを見る表です。
▼ 元データ・グラフ、予想年収はこちら
まず結論からいうと…
- 2024年度は、2023年度よりも赤字が拡大しています
- 特に教育活動収支差額の悪化が大きいです
- 本業の弱さを、教育活動外収支だけではカバーしきれていません
2023年度・2024年度の比較(単位:百万円)
| 項目 | 2023年度 | 2024年度 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 教育活動収支差額 | -665.9 | -854.5 | -188.6 |
| 教育活動外収支差額 | 20.9 | 27.4 | +6.5 |
| 経常収支差額 | -645.0 | -827.1 | -182.1 |
| 特別収支差額 | 13.8 | 17.5 | +3.7 |
| 基本金組入前当年度収支差額 | -631.2 | -809.6 | -178.4 |
教育活動収支差額って何?
授業料収入や補助金など、学校の本業による収入から、 人件費や教育研究経費などの本業の支出を引いたものです。
ここが大きな赤字だと、学校運営そのものが苦しいと考えやすいです。
経常収支差額って何?
教育活動の結果に、受取利息や配当などの本業以外のお金を足し引きした結果です。
法人全体として、毎年どれくらい余裕があるかを見る代表的な数字です。
2024年度は「本業の赤字がさらに大きくなった」と見てよさそうです。
教育活動収支差額は2023年度の-665.9百万円から、 2024年度は-854.5百万円へ悪化しています。 つまり、学校の本業だけで見ると、前年度よりも厳しい状況になっています。
教育活動外収支差額や特別収支差額はプラスなのに、なぜ厳しいんですか?
本業の赤字が大きすぎるからです。本業以外のプラスだけでは埋めきれていない状態と考えられます。
大学生向けにシンプルにまとめると
- 本業でしっかり黒字を出せていない
- 2024年度は、2023年度よりさらに赤字が広がった
- 学費収入や学生募集の改善が進まないと、今後も苦しさが続く可能性がある
- 経営改善には、募集回復・コスト見直し・学部再編の成果が必要
5.明るい材料もある
ただし、悪い話ばかりではありません。事業報告の中には、今後の可能性を感じるポイントもあります。
評価できるポイント
| 留学生比率 | 外国人留学生の割合が5.8%で、目標の5.0%を上回った |
|---|---|
| 外部資金 | 科研費の獲得や、文部科学省の支援事業採択がある |
| 教育の特色 | 環境・共生を意識した教育や探究学習に独自性がある |
| 国際連携 | 海外大学との新しい協定づくりが進んでいる |
特に、「国内だけで学生を集めるのが難しいなら、海外とのつながりを強める」 という方向性は、今後の生き残り策として注目できます。
6.事業計画はどれくらい達成できた?
2024年度の事業計画は、全体としてはある程度進んでいます。 ただし、学校経営で一番大事な「学生募集」に関する部分は苦戦が目立ちます。
事業達成度の結果
| 判定 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| S(計画以上) | 12 | 8.3% |
| A(計画どおり) | 96 | 66.2% |
| B(実施中) | 24 | 16.6% |
| C(未達成) | 11 | 7.6% |
一見するとA以上が多く、順調に見えます。 ただし、未達成の中に「学生募集」など重要項目が入っているのが問題です。 学校経営では、件数の多さよりも、どの項目が未達かを見ることが大切です。
7.働き方改革やガバナンス強化は進んでいる
法人運営の面では、前向きな変化も見られます。理事会や経営委員会を高い頻度で開き、 意思決定を早めようとしているほか、勤怠管理のクラウド化で労務管理も改善しています。
組織運営で評価できる点
- 理事会・経営委員会を定期的に開催し、意思決定を早めている
- クラウド型勤怠管理で、働き方の見える化を進めている
- 退学率の改善など、学生定着支援の成果も一部出ている
学校法人は、学生が減ると現場が苦しくなりやすいですが、 それでも組織のルール整備や働き方の改善を進めている点はプラス評価です。
8.2025年度からの学部再編はどう見る?
ノートルダム女学院は、現状をそのまま放置するのではなく、 2025年度から学部・学科の見直しを進めています。
ポイントは「規模を見直して、強みが出る形に変える」ことです。
これは後ろ向きな話ではなく、むしろ少子化時代に対応するための現実的な経営判断です。 ただし、再編しただけで学生が集まるとは限らないため、今後の結果をしっかり見る必要があります。
9.将来性はある?大学生向けにシンプルに言うと
将来性を考えるときは、次の2つをセットで見るのが大事です。
プラス材料
- 教育理念がはっきりしている
- 国際化の取り組みがある
- 外部資金の獲得実績がある
- 組織改革を進めている
不安材料
- 大学の定員充足率が低い
- 学費収入の先細りリスクがある
- 本業の赤字が大きい
- 施設維持コストが重くなりやすい
総合評価: すぐに危ないと断定する段階ではないものの、安心して見ていられる状況でもない、というのが率直な印象です。
特に大学部門の募集改善が進まなければ、今後はさらに厳しい経営判断が必要になる可能性があります。 逆に言えば、学部再編・国際化・独自教育の強化がうまくはまるかどうかが今後の分かれ道です。
10.就活生が見るべきポイント
大学職員を目指す就活生なら、ノートルダム女学院を見るときは次の点を意識しておくとよいです。
チェックしたいポイント
- 入学者が回復しているか(次年度以降の募集状況)
- 学部再編の効果が出ているか
- 本業の赤字が改善しているか
- 職員の働き方改善が進んでいるか
- 教育の特色が受験生に伝わっているか
つまり、教育の良さはあるけど、経営面ではまだ安心しきれないってことですね。
その通り!「理念の強さ」と「経営の現実」の両方を見ることが大切です。
11.まとめ
- ノートルダム女学院は、伝統ある教育法人としての強みがある
- 一方で、大学の入学者不足はかなり重い課題
- さらに、事業活動収支では本業の赤字が大きい
- 組織改革や学部再編は進んでいるが、まだ結果待ちの段階
- 今後の将来性は、募集回復と経営改善にかかっている
就職先として考えるなら、名前やイメージだけで判断せず、「学生が集まっているか」「本業で赤字になっていないか」「改革が結果につながっているか」まで見ると、 ぐっと本質に近づけます。

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