
ザク次郎
関西医科大学の財務状況を一言でまとめると、**「安定」**です。
以下がその理由です:
- 経常収支差額は毎年黒字で、特に令和2年以降は大きく黒字幅を伸ばしています(2021年の14,424百万円をピークにしても高水準を維持)。
- 貸借対照表でも、純資産が毎年着実に増加しており、財務体質が強化されています。
- 流動資産・固定資産も増加傾向にあり、資産の拡充が図られています。
- 負債は大きな変動もなく、安定的にコントロールされています。
- 基本金も順調に積み増されており、将来的な設備投資や財政的な備えも進んでいます。
大きな赤字や資産の目減りが見られず、黒字経営が継続していることから、全体として「安定」した財務状況にあると評価できます。



ザク次郎
こちらの推移グラフは学校法人 関西医科大学の財務状況です。
簡単に説明すると、上のグラフは利益の推移グラフで、下は利益となる収支科目の差額の推移グラフです。

ザク次郎
2023年度結果
経常収支差額:85億2,670万円の黒字を計上。
(大学を運営して得た収支のことです)
基本金組込前当年度収支差額:88億6,230万円の黒字を計上。
(経常収支差額に特別収支差額を加えたものです。基本金を簡単に説明すると、将来の大学運営に必要な資金を貯金してる感じです。)

ザク次郎
運営している学校と会社はこちらになります。
- 関西医科大学
- 関西医科大学附属病院(枚方市)
- 関西医科大学総合医療センター(守口市)
- 関西医科大学香里病院(寝屋川市)
- 関西医科大学くずは病院(枚方市)
- 関西医科大学天満橋総合クリニック(大阪市中央区)
- くずは駅中健康・健診センター(枚方市)
- 関西医科大学附属光免疫医学研究所
- その他、教育・研究・地域医療支援などの各種センター
- ケーエムユーシステム株式会社(100%出資)

コピ子
安定なんですね、見た感じは好調に見えるんですけどね。

ザク次郎
いえ、「好調」と評価して差し支えない財務状況です。
とくに注目すべきは、
- 令和3年(2021年度)と令和4年(2022年度)の経常収支差額がいずれも140億円台に達している点(14,424.1百万円、13,980.7百万円)。
- これは過去10年間で最も高い水準であり、教育活動による収益性の向上と経費管理が非常にうまくいっていることを示しています。
さらに、
- 貸借対照表でも純資産が順調に積み上がっており(2015年:60,109百万円 → 2023年:130,308百万円)、
- 流動負債・固定負債は抑制され、自己資本比率も85%と非常に高水準です。
📌 これらの点を踏まえると、関西医科大学の財務状況は「好調」、かつ安定成長中と評価できます。

コピ子
これだったら職員になっても安心できますね。
学校法人 関西医科大学 | |||||||||
事業活動収支計算書の状況と経年比較(単位:百万円) | 平成27年 | 平成28年 | 平成29年 | 平成30年 | 令和元年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | 令和5年 |
2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | |
教育活動収支差額 | 6,636.3 | 4,736.5 | 5,316.9 | 6,486.0 | 7,075.1 | 8,720.1 | 14,417.8 | 13,969.3 | 8,486.9 |
教育活動外収支差額 | -122.1 | -58.7 | -39.8 | -10.9 | -3.2 | -1.9 | 6.3 | 11.4 | 39.8 |
経常収支差額 | 6,514.2 | 4,677.8 | 5,277.1 | 6,475.1 | 7,071.9 | 8,718.2 | 14,424.1 | 13,980.7 | 8,526.7 |
特別収支差額 | 1,045.2 | 111.8 | -1,996.3 | 400.9 | 189.1 | 760.5 | 1,168.3 | 76.7 | 335.6 |
基本金組込前当年度収支差額 | 7,559.4 | 4,789.6 | 3,280.8 | 6,876.0 | 7,261.0 | 9,478.7 | 15,592.4 | 14,057.4 | 8,862.3 |


ザク次郎
📌評価ポイント
✅ 1. 安定した資産構成
- 流動資産・固定資産ともに増加傾向が続いており、2023年度も堅調。
- 特に固定資産の伸び(前年:99,463.9 → 2023年:105,952.0)は、将来的な教育・医療インフラの投資が続いていることを示唆。
✅ 2. 高い自己資本比率
- 純資産比率: 130,308.2153,275.8≈85.0%\frac{130,308.2}{153,275.8} \approx 85.0\%153,275.8130,308.2≈85.0% → 一般的に60%を超えれば優良とされる中、非常に高い自己資本比率です。財務の安定性が際立ちます。
✅ 3. 負債水準の低さとコントロール
- 流動負債・固定負債ともに大きく増えておらず、負債全体が資産に対して抑制されています。
- 固定負債は減少傾向が継続(2015年:21,593.7 → 2023年:15,334.9)しており、借入依存度も低い。
📝総合評価(2023年度 貸借対照表)
📣 非常に良好(健全かつ堅実)
自己資本比率の高さと資産の拡充が特に光り、対外的な信用力も非常に高い状態にあると評価できます。
財務バランス、資産の成長、負債のコントロール、どれをとっても優等生クラス。



ザク次郎
🧾【項目別評価】
✅ 1. 流動資産:大幅増加(+138%)
- 2015年:19,866.6 → 2023年:47,323.8
- 増加傾向が継続。流動性が高く、短期的な支払い能力が大幅に向上。
✅ 2. 固定資産:着実に積み上がる
- 2015年:67,579.2 → 2023年:105,952.0(+56.8%)
- 医療設備・教育施設等の長期投資が順調。自己資金で賄われている点も評価。
✅ 3. 流動負債:緩やかな増加(+33%)
- 2015年:5,742.6 → 2023年:7,632.6
- 資産の伸びと比べると緩やかで、リスク管理の範囲内。短期債務への対応力も高い。
✅ 4. 固定負債:一貫して減少(-29%)
- 2015年:21,593.7 → 2023年:15,334.9
- 借入や長期債務が年々減少。財務の健全化が明確に進行。
✅ 5. 純資産:着実に拡大(+117%)
- 2015年:60,109.4 → 2023年:130,308.2
- 剰余金を蓄積し、自己資本の厚みが倍増。高い経済的自立性を確保。
📈【総合評価:非常に健全で強固な財務体質】
- 📌 資産の増加速度が負債を大きく上回っており、純資産は9年で2倍以上に成長。
- 📌 固定負債を着実に減らしつつ、教育・医療設備への投資を継続している点が優秀。
- 📌 流動性・安全性・成長性のバランスがとれており、外部ショックにも強い。
💬 評価まとめ:
「財務基盤は非常に健全かつ拡大中。中長期的にも極めて強い組織体制を築いている。」
以上、有り難うございました。
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