


- 【学校法人福田学園の財務状況をチェック】就活・転職前に知っておきたいポイント
- 結論:「財務的にはやや厳しい」が、今すぐ危機というわけではない
- 📊 財務の安全性はまだ高い?福田学園のバランスシートをチェック
- 🔍 まとめ:財務基盤はしっかり。ただし収支とのバランスに注意
- 【福田学園の財務推移チェック】貸借対照表から見る経営の安全性
- 【福田学園の基本金推移から見る財務の安定性】
- 福田学園は近年、大学職員の採用を控えめにしている可能性も?
- 決算書(人件費)と事業報告書(職員数)から平均年収を予想
- 福田学園の教職員平均年収を推定&専任事務職員の年代別給与イメージを紹介
- 1. 教職員の平均年収を推定してみた
- 2. 専任事務職員の年代別給与・年収イメージ
- 3. まとめ
- 福田学園への就職はおすすめできる?
【学校法人福田学園の財務状況をチェック】就活・転職前に知っておきたいポイント
大学職員を目指す方や、専門学校などの教育機関への就職・転職を考えている方にとって、「学校法人の財務状況」は重要なチェックポイントです。
今回は、大阪保健医療大学や大阪リハビリテーション専門学校を運営している学校法人 福田学園の財務データをもとに、経営の健全性についてわかりやすく解説します。
一言で言うと、福田学園の財務状況は「やや厳しい」
法人の財務指標を見る中で、もっとも注目したいのが「教育活動収支差額」や「経常収支差額」です。これは学校の“本業”でしっかり利益が出ているかどうかを示す数字です。
福田学園のデータを過去9年分見ると、次のような特徴があります。
📉 教育活動による収支は5年連続赤字
令和元年以降、本業の教育活動で毎年赤字が続いています。直近の令和5年(2023年)は**▲101.2百万円**と、かなり大きな赤字です。つまり、授業料や補助金などの収入だけでは運営費をまかないきれていない状況です。
🟢 教育活動“外”の収支で黒字をキープ
一方で、土地の賃貸収入や投資収益などの教育活動外収支は、毎年黒字を維持。令和5年には104.0百万円の黒字となっており、これが法人全体の経営を支える要因となっています。
⚠ 経常収支は一時的に赤字に転落
教育活動と教育外収支を合算した「経常収支」も、令和4年には**▲34.3百万円の赤字**に転落しました。翌年は持ち直しましたが、収支のバランスが不安定な状況は続いています。
💥 特別収支の赤字が大きい
設備投資や資産売却などによる「特別収支差額」は、過去に何度も大きなマイナスを記録しており、直近でも令和5年には**▲266.5百万円**と非常に大きな赤字です。突発的な支出や損失が法人全体の収支を大きく圧迫しています。
結論:「財務的にはやや厳しい」が、今すぐ危機というわけではない
福田学園は、教育活動での赤字が続いている点ではやや厳しい経営状態にあります。ただし、教育活動外収入の安定性や資産規模から見ると、今すぐ倒れるような状況ではないというのも事実です。

こちらの推移グラフは学校法人 福田学園の財務状況です。
簡単に説明すると、上のグラフは利益の推移グラフで、下は利益となる収支科目の差額の推移グラフです。

2023年度結果
経常収支差額:280万円の黒字を計上。
(大学を運営して得た収支のことです)
基本金組込前当年度収支差額:▲2億6,380万円の赤字を計上。
(経常収支差額に特別収支差額を加えたものです。基本金を簡単に説明すると、将来の大学運営に必要な資金を貯金してる感じです。)

運営している学校と会社はこちらになります。
- 大阪保健医療大学
- 大阪リハビリテーション専門学校
- 大阪工業技術専門学校

肝心要の教育活動収支差額で赤字が続いてるんですね。
学校法人 福田学園 | |||||||||
事業活動収支計算書の状況と経年比較(単位:百万円) | 平成27年 | 平成28年 | 平成29年 | 平成30年 | 令和元年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | 令和5年 |
2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | |
教育活動収支差額 | 40.4 | 75.9 | -0.3 | 39.6 | -15.6 | -24.0 | -10.7 | -119.0 | -101.2 |
教育活動外収支差額 | 76.3 | 23.0 | 42.0 | 59.4 | 60.0 | 85.4 | 75.3 | 84.7 | 104.0 |
経常収支差額 | 116.6 | 98.9 | 41.7 | 99.0 | 44.4 | 61.4 | 64.6 | -34.3 | 2.8 |
特別収支差額 | -529.0 | -8.5 | -71.6 | -3.0 | -253.8 | 2.1 | 18.5 | -373.1 | -266.5 |
基本金組込前当年度収支差額 | -412.4 | 90.3 | -29.9 | 96.1 | -209.4 | 63.5 | 83.1 | -407.4 | -263.8 |


📊 財務の安全性はまだ高い?福田学園のバランスシートをチェック
収支の赤字が続く一方で、「福田学園は本当に経営が危ないのか?」と疑問に思う方もいるかもしれません。そこで、2023年度の**貸借対照表(バランスシート)**から財務の安全性を見てみましょう。
✅ 自己資本比率:80.2%
これは「総資産のうち、どれだけが自己資本(返済不要の資金)か」を示す指標です。
一般的に40%以上で健全とされる中、福田学園は80%超という非常に高い数値を維持しています。
➡ 借金に頼らず、自己資本で運営できている証拠です。
✅ 流動比率:156.2%
こちらは「短期的な支払い能力」を示す指標。
100%を超えていれば「安全圏」とされますが、福田学園は150%超。
➡ 突発的な支出や不測の事態にも、当面の資金繰りに余裕があります。
⚠ 固定比率:111.0%
固定資産(校舎・土地など)が、どれだけ自己資本でまかなわれているかを表すこの指標。
100%を超えると「固定資産にやや投資しすぎ」とされる傾向があります。
➡ 教育機関としての設備投資の重さを感じさせる数値です。
🔍 まとめ:財務基盤はしっかり。ただし収支とのバランスに注意
福田学園は、収支面では赤字傾向がある一方で、資産面ではまだしっかりとした財務基盤を持っていることがわかります。
就職や転職を検討する上では、「収支=日々の経営状態」と「貸借対照表=法人の体力」の両面を見ることが大切です。
福田学園は今すぐ危機に陥るような状況ではありませんが、今後の経営改善や構造改革がカギになってくるかもしれません。


【福田学園の財務推移チェック】貸借対照表から見る経営の安全性
福田学園の貸借対照表(バランスシート)の過去9年分のデータをもとに、経営の安定度を見てみました。
1.資産規模は安定、しかし最近はやや縮小傾向
校舎や土地などの固定資産は大きく変わっていませんが、現金や預金などの流動資産は2020年以降減少しています。
→ 収支の厳しさが資金繰りに影響している可能性があります。
2.自己資本(純資産)は徐々に減少
8年間で約9%減少しており、利益の蓄積が追いついていません。
→ 内部留保が少しずつ減り、財務の耐久力は弱まっていると言えます。
3.負債は増加傾向、特に長期借入が増えている
短期の借入は減っているものの、長期の借入金が約2.4倍に増加。
→ 設備投資のための借入か、資金繰りのための長期戦略と推測されます。
4.財務のバランスはやや悪化傾向にある
負債が増えるペースの方が自己資本の減少よりも早く、財務レバレッジが高まっています。
→ 体力を使いながら何とか持ちこたえている状態といえます。
【まとめ】
福田学園は今すぐ倒れるような危機ではありませんが、経営の厳しさは数字に表れています。
就職・転職の視点では、安定志向の方は慎重に見極めを、変革にチャレンジしたい方にはやりがいのある環境と考えられます。



【福田学園の基本金推移から見る財務の安定性】
学校法人の財務の基盤を表す「基本金」の推移を見てみましょう。
基本金は法人が将来の教育活動や運営のために確保している資金のこと。法人の安定性を判断する重要な指標です。
基本金の推移(2015~2023年度)
年度 | 第1号基本金(百万円) | 第4号基本金(百万円) | 合計(百万円) |
---|---|---|---|
2015 | 6,400.7 | 172.0 | 6,572.7 |
2016 | 6,502.1 | 123.0 | 6,625.1 |
2017 | 6,412.5 | 123.0 | 6,535.5 |
2018 | 6,480.5 | 123.0 | 6,603.5 |
2019 | 6,593.5 | 123.0 | 6,716.5 |
2020 | 6,615.5 | 123.0 | 6,738.5 |
2021 | 6,647.2 | 123.0 | 6,770.2 |
2022 | 6,674.1 | 123.0 | 6,797.1 |
2023 | 6,633.5 | 123.0 | 6,756.5 |
ポイント解説
- 第1号基本金は長期的に緩やかに増加してきましたが、2023年度にわずかに減少しています。
- 第4号基本金は2016年以降ほぼ横ばいのまま安定しています。
- 全体として基本金は堅実に積み上がっており、法人の基盤は依然として強固と言えます。
2023年度の基本金減少について
2023年度に第1号基本金が約40百万円減少していますが、これは全体の約0.6%の減少にあたります。
この程度の減少は学校法人の規模で見ると小さく、直ちに大きな問題と捉える必要はありません。
実際、学校法人では基本金の切り崩しが、建物の改修や新規設備の導入などの設備投資に使われることが多いため、
減少は一時的な資金使途の可能性が高いです。
就活生・転職者へのアドバイス
基本金の推移からは、福田学園は長期的な財務基盤を維持しつつ、必要に応じて教育環境の充実を図っていると読み取れます。
とはいえ、2023年の減少は注視すべきサインでもあるため、今後の財務動向にも注意を払いましょう。

こちらの大学職員の給与と年収を知りたいです。

福田学園は近年、大学職員の採用を控えめにしている可能性も?
学校法人福田学園(大阪保健医療大学・大阪リハビリテーション専門学校などを運営)は、2025年度・2026年度の大学職員(事務職)採用情報を現時点で公開していません。
各種就職情報サイトや公式Webサイトを確認した結果、明確な初任給や募集要項の掲載は見当たりませんでした。
このことから、以下のような背景が考えられます。
採用が控えめになっている可能性の理由
- 職員定員の充足
→ 退職や異動が少なく、欠員が少ないため、大規模な採用を行っていない可能性。 - 財務面での慎重姿勢
→ 教育活動収支の赤字傾向や純資産の減少などから、人件費の増加に慎重になっていることも。 - 非正規職員や業務委託の活用
→ 業務の一部を外部スタッフや委託業者で賄う体制をとっている可能性。 - 非公開求人の可能性
→ ハローワーク経由や縁故による限定的な採用ルートを活用しているケースも。
✅ 補足:2024年度は専任事務職員が3名増加
2023年度と比較して、専任事務職員が3名増加していることが2024年度の事業報告書から確認できました(2024年5月1日現在)。
このことから、まったく採用していないというわけではないと考えられます。
ただし、採用情報を一般に広く公開していない点は変わらず、応募を検討している方にとってはやや不透明な状況です。
採用がない=悪い法人ではない
「求人が出ていないからダメな法人」というわけではありません。
特に私立大学法人では、採用情報を積極的に広報しないケースも珍しくありません。
希望する法人がある場合は、公式サイトを定期的に確認したり、直接問い合わせてみるのも一つの戦略です。

決算書(人件費)と事業報告書(職員数)から平均年収を予想


福田学園の教職員平均年収を推定&専任事務職員の年代別給与イメージを紹介
学校法人福田学園(大阪保健医療大学などを運営)の2023年度データから、教職員の平均年収を推定し、さらに専任事務職員の年代別給与イメージをまとめました。
1. 教職員の平均年収を推定してみた
福田学園の2023年度決算書・事業報告書によると、
- 教職員全体の人件費総額は約9.9億円
- 教職員数は専任教員64人、非常勤講師398人、専任事務職員35人
でした。
全国平均の年収比率を参考にして人件費を按分すると、
区分 | 推定平均年収 |
---|---|
専任教員 | 約597万円 |
非常勤講師 | 約113万円 |
専任事務職員 | 約449万円 |
となりました。
非常勤講師が多いため、全体の人件費の45%以上を占め、コストを抑えた運営の一端がうかがえます。専任事務職員の年収は全国平均よりやや控えめな水準と推定されます。
2. 専任事務職員の年代別給与・年収イメージ
専任事務職員の平均年収約449万円をベースに、一般的な大学事務職員の給与構造を参考に年代別モデルを作成しました。
年代 | 月給(目安) | 年収(賞与含む) |
---|---|---|
20代前半 | 約22.5万円 | 約346万円 |
20代後半〜30代前半 | 約26.5万円 | 約408万円 |
30代後半〜40代前半 | 約30.0万円 | 約462万円 |
40代後半〜50代前半 | 約33.5万円 | 約516万円 |
50代後半〜60代前半 | 約36.0万円 | 約554万円 |
賞与は年間4.2ヶ月分を想定しています。
3. まとめ
福田学園の教職員は全体的に全国平均とほぼ同水準の給与が推定されますが、非常勤講師の多さから給与構造に特徴が見られます。専任事務職員の給与も、年代に応じて段階的に上昇するモデルを描くことができました。
これらの情報は、大学職員を志望する皆さんがキャリア設計や転職活動の目標を立てる際の参考になるはずです。

こちらの大学職員への就職はおすすめでしょうか?

福田学園への就職はおすすめできる?
ここまで財務状況や給与水準、人員構成などを見てきましたが、最後に「福田学園の大学職員として働くことはおすすめできるのか?」という点について、私なりの見解をまとめておきます。
✅ 就職おすすめ度:★★★☆☆(3/5点)
→ 条件付きでおすすめ。人によっては良い選択肢になり得る。
📈 ポジティブなポイント
- 2024年度、専任事務職員が3名増加
→ これは明確な人員体制の強化であり、業務の分担や職場環境の改善につながる可能性があります。 - 給与水準は全国平均と同程度
→ 推定ではありますが、専任事務職員の平均年収は約449万円。高くはないものの、地方私大職員としては標準的といえる水準です。 - 医療・福祉・建築系の分野に強みがある
→ 分野に関心がある人にとっては、やりがいある職場環境が期待できます。
🛑 注意すべきポイント
- 財務状況はやや不安定
→ 教育活動収支や経常収支差額は赤字傾向。特に令和4年・5年はマイナス幅が大きく、経営面では注視が必要です。 - 昇給・昇進制度は不明瞭
→ 公開情報だけではキャリアパスの具体性がわかりにくく、将来性を見極めるには追加の情報収集が必要です。
👨💼 こんな人におすすめ
- 地元(大阪)で安定した職場を探している人
- 医療・福祉・建築系の分野に関心がある人
- 公務員的な安定志向と民間のバランスを求める人
✍️ 編集後記
2024年度に専任事務職員が増えた点は、組織としての前向きな姿勢を感じられる材料です。就職先として候補にする価値は十分にありますが、「財務の安定性」や「キャリア形成の柔軟性」を重視する方は、他の大学法人と比較しながら慎重に検討するのがよいでしょう。
以上、有り難うございました。
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