ネットの情報では、よくホワイトな仕事として取り上げられる大学事務職員ですが、実際のところ完全にホワイトとは言えないのが私の感想です。何を基準にホワイトとするかは個人の価値観にもよりますが、私なりに感じる大学事務職員のホワイトな部分とブラックな部分をお話しします。
僕の部署はホワイトだけど、ブラックな一面も話として聞くので
実際の私立大学の職場事情を話していくよ。
この記事から分かる私立大学の職場事情
- 休暇(有給や長期休暇)
- 残業時間
- 福利厚生
- 給料
- 職場の人間関係
ホワイト企業の定義とは?
そもそも、給料が高ければ残業が多くても良い人、給料が低くても職場の雰囲気を重視する人など、ホワイト企業の定義は個人の価値観によって変わってしまいます。なので、世間が考えるホワイト企業を基準に考えていきたいと思います。
「ホワイト企業だと思う職場の特徴」についての調査では、多くの方がこのような特徴を持つ企業がホワイト企業だと考えているそうです。それでは、大学事務職員がこのような特徴を持っているかをお話ししていきたいと思います。
休暇は多く、有給も取りやすいが、土曜・休日出勤が多い!
休暇は授業と連動している?
- 土日、祝日は基本休み(私の大学は土曜にも授業があるため土曜日も出勤※月に1回程度)
- 有給は20日間で余った分は翌年度まで繰越(私の大学はこれプラス夏に自由に休める休日が5日ほどあります。)
- 長期休暇:夏10日程度、冬7日程度
一般企業と比べて休暇は多く、長期休暇も長いと思います。大学の休日は、基本授業のある日は出勤で、授業がなければ休日という認識でいてもらって問題ありません。なので、土曜日に授業がある大学は土曜日にも出勤しないといけない可能性が高いです。なお、夏休み・冬休み期間は例外です。私も入職する前まで、学生の夏休み期間は仕事がないのかな?と期待を頂いていましたが普通に仕事がありました。
休日出勤が意外に多い
大学は通常の授業以外にも様々なイベントを実施し、そのようなイベントは休日に実施されることがほとんどなので、日曜日の出勤も普通にあります。もちろん休日に出勤した場合は振替休日がもらえます。
- オープンキャンパス(私の大学だと年に5〜6回は実施)
- 大学祭(学生がメインですが管理者として職員が必要)
- 入試(監督をします。地方への入試に行く場合もあり)
- 保護者が相談できるイベント
- 学会の開催
これらはあくまでどこの大学でも実施されるようなイベントで、これら以外にも大学独自のイベント等があると思います。大学の大まかなイベントは「学年歴」で調べると確認できます。
へー!大学には沢山イベントがあると思ってたけど事務職員さんが実施しているなんて知らなかったよ!
そうだよね。僕も入職するまでは僕が入試の監督をやるなんて夢にも思っていなかったんだ。
残業0と残業40時間越え!!
部署によって残業時間は大きく変わる!
正直、残業時間はピンからキリです。暇な部署は定時帰宅、多忙な部署だと残業が40時間をゆうに超えると聞いています。私は現在学部に所属していて、比較的に忙しい部署ですが、大体平均して月に20時間程度です。日本の平均残業時間は13.8時間(厚労省毎月勤労統計調査令和4年度)だそうです。私の感覚では大学全体の平均も大体これくらいかと思います。
以下の部署が私の大学で忙しいと言われる部署です。
- 入試担当(入試の準備や結果など責任も重く多忙)
- 教務(学生の授業だけでなく、休学や退学などの学籍を管理するため多忙)
残業代はきっちり払われる!
私の場合、残業代はきっちりと払われます。サービス残業にならないため、残業で精神的に追い詰められたことはありませんが、残業が40時間を超える部署では肉体的に追い詰められることもあるようです。
残業問題はなるべく少ない方が良いね!
こればっかりは部署によるので運要素が強いかな。
ただ、残業代はちゃんと支払われるのでそこは安心かな。
福利厚生は手厚い部分も
女性はもちろん男性でも育休が取りやすい環境
大学事務職員は、女性が多い職場なので産休や育休が非常に取りやすく、復帰もしやすい仕事です。私の大学でも毎年のように誰かが育休を取っており、男性でも育休を取得していて、平均と比べて遥かに高い取得率だと思います。また、仕事を休まずに就業時間を早めにする、時短勤務制度を取り入れている大学もあり、大学事務職員は子供を育てる上で非常に整った環境だと思います。
その他手当等
・家賃補助2万円(かなり低い、他の大学はもっと貰っている)
・交通費(距離による)
・自己啓発費用7万円(資格取得、書籍の購入など)
・私学共済積立
・その他保養所やスポーツジムの割引など
年収1,000万円越えは当たり前?!
大学事務職員の給料については、以下の記事で詳しく話していますのでぜひ見てみてください。
大学事務職員の人間関係は良いのか?
パワハラで退職する人もいるのが現状
営業成績のような出世争いがないため、基本的に人間関係は良いです。では、パワハラがないのかというとパワハラはあります。実際、パワハラで退職する方もいました。ですが、平均と比較するとかなり少ない方だと感じます。厚生労働省の調査でも、30%の人がパワハラを受けたことがあると回答していて、どこの会社にもパワハラをする人間が存在すると思っています。できる限り包み隠さずにお伝えするためにパワハラがあると書きましたが、ほとんどの方は良い方なのでその点は誤解しないようにしていただければ幸いです。
年功序列による弊害
大学事務職員は、完全に年功序列であると言い切れます。評価制度はあるものの、「頑張った人」と「頑張っていない人」との評価にほとんど差はありません。仕事の内容的に、結果が数値で表せないから仕方のない部分でもあります。
しかし、この年功序列はある問題を生み出します。それが「無能な口だけ上司」と「頑張る人間の減少」です。事実、私の同期は年功序列だけで上になった無能な上司に当たり、かなり苦労しています。また、頑張る必要がないため、自己啓発をする人がほとんどおらず一般企業と比べて競争意識が薄い印象です。
年功序列って安定しているイメージがあったけど悪い面もあるんだね。
頑張っても頑張らなくても給料は変わらないからやる気が出ない気持ちも分かる。
だけど、18歳人口の減少で今後は他大学と学生の取り合いをしていく事になるし、その時に知識がないと勝ち残れないと思うんだ。
まとめ
結論として、大学事務職員は完全にホワイトとは言えませんが、一般企業と比較するとホワイトだと思います。私は、人間関係の良い部署しか経験していませんし、給料も高く休暇も充分に取れ、ワークライフバランスには非常に満足しています。
今回は、職場環境という面から見た大学事務職員の実態を考えてみましたが、これ以外にも仕事の種類が多種多様で人によっては仕事内容が合わないことも考えられます。大学職員に限らず、どの会社がホワイト企業かは一人一人の価値観によるところが大きいので、できる限り情報を集めてご自身にあった就職先、転職先を見つけてもらえたらと思います。
大学事務職員を考えている方のお役に立てるよう、このブログではリアルな大学事務職員をお届けしますので、参考にしていただければ嬉しいです。
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