最近密かに人気を集めている大学事務職員。その人気の理由はいくつかありますが、最も魅力的な理由は給料が高いと言われているからだと思います。確かに、ネットで書かれている記事のほとんどで、給料が高いと書かれていますが、それを書いている人はそれなりに年齢を重ねた方だと思います。果たして、18歳人口が減少している今から入職しても同じ給料を貰えるのでしょうか?
結論から言うと、今でも一般企業と比べて給料は高いです!ただし、今後もそれが続く可能性は低いと感じています。20代だからこそ感じる現在の大学事務職員についてお伝えします。
実際の給料はどれぐらい貰えるのか?
2年目から年収500万円越え!
私が入職して1年目の年収は350万円ほどでしたが、夏のボーナスは30%の支給、1月〜3月の給与は無い状態です。
なんと2年目の年収は500万円を超えていました。ちなみに3年目は530万円ほどです。日本の40代後半の平均年収が521万円なので、3年目でそれを超えてきます。
基本給は22万円ほどで、年収を大きくしているのはボーナスです。年間のボーナスは6ヶ月半分で、冬はそれにプラスで手当も存在します。そのため、1年目から冬のボーナスは100万円でした。これは普通では考えられない額だと思います。また、基本給が一年に6,000円ほど上がっていくので年収の伸び幅はかなり大きいかと思います。
えー!!1年目からボーナス100万円?!
僕も驚いたよ。
だけど一番驚いていたの両親で信じられないって言ってたな。
上位5%に入る、年収1,000万円は普通に超えられる!
40代で役職持ちの上司に給料を聞くと1,000万円を超えているとのことで驚きましたが、その方の役職は沢山いますし、役職がなくても40代になれば1,000万円は普通に超えられるそうです。それ以上の役職であれば1,500万円を超えてくるそうです。
年収区分 | 令和3年度 | 令和4年度 |
---|---|---|
0~500万円以下 | 68% | 66.5% |
500~1,000万円以下 | 27% | 28.1% |
1,000万円以上 | 3.7% | 4% |
1,500万円以上 | 1.3% | 1.4% |
給与所得が1,000万円以上の人は、全体の5%ほどになり、1,500万円以上にもなると2%にも満たない状態です。このことから、1,000万円を普通に超えられる大学事務職員は高給取りと言われてもおかしくありません。
じゃあ大学事務職員になれば勝ち組だね!!
どこの大学でもこの水準って訳ではないから注意だよ。
規模の大きな私立大学は年収が高い!
一般企業・国公立大学・私立大学の給料
大学事務職員が先ほど高給取りであることは先ほどお伝えしましたが、全ての大学が先述した水準ではありません。表を見ても分かりますが、大学事務職員は日本の平均と比べると比較的高給取りですが、やはり私立大学の方が圧倒的に年収が高いです。
平均年収の違い | |
---|---|
日本平均 | 458万円 |
国公立大学 | 596万円 |
私立大学 | 783万円 |
・日本私立学校振興・共済事業団の役職員の報酬・給与等について(https://www.shigaku.go.jp/files/y_kyuuyo_R3_2.pdf)
では、私立大学であれば高給取りかと言われるとそうでもありません。私立大学の収入の約8割は学生からの授業料です。従って、学生数の多い大学・規模の大きな大学は自然と給料が高くなります。
年収の高い私立大学の規模
一概にどの大学が年収が良いかは実際に働いている方でないと分かりませんが、私のこれまでの経験と周りの話を聞く限り、学生数が10,000人を超える規模の大学であれば、40代で1,000万円は超えると思います。事実、私の大学は学生数が10,000人を超える大学ですが、40代で1,000万円は超えます。
なるほど!そしたら大規模の私立大学だったら安心だね!!
それがそうでもないんだ。
この給料の水準はもう長くは続かないと僕は感じているんだよね。
大学事務職員の将来性は暗い?
18歳人口は減少し続けている!
1990年には200万人を超えていた18歳人口は、2022年で112万人にまで減少しています。学生に教育サービスを提供する大学は、もろにそのダメージを受けることになります。そして、今後の学生数は、各年度の出生数を見ると大体の人数が分かります。
厚労省の調査を見ても分かるように「第2次ベビーブーム」出生数は減少し続けていて、令和4年度の出生数は約77万人で、前年度の約81 万 人より4万人も減少していることが分かります。出生数が4万人減少している、つまり、令和4年の子供達が大学生になる時に、4万人分の大学は必要なくなると言うことです。
学生の争奪戦
18歳人口が減少する今、大学の数は年々減少しているかと見てみると、私立大学は令和5年で622校(文部科学省令和5年度学校基本調査)と前年度より2校増加し、これまでで最大です。さらに、学生数は2,179,507人で前年度より8,025人増加しています。なぜでしょうか?
これは、ただ大学進学率が上昇した事による一時的な上昇です。18歳人口が減少している現状では、将来的に進学者数は減少していくことは明白です。また、各大学で見ると定員割れが起こっている大学もあり、実際にそれなりに名前の通った大学でも定員割れを起こしていると聞いたこともあるので、これから大学事務職員を目指す方は、その点も踏まえて就職先を選択してもらえたらと思います。
18歳人口の減少も考えて、慎重に選んだ方が良さそうだ!!
その通り。
僕はまだ20代だから後どれだけ大学が残ってくれるか心配だよ。
まとめ
確かに、大学事務職員は一般企業と比べて高給取りです。そして、学生数の多い大規模な私立大学になると、1,000万円も普通に超えることができます。実際に働いている私もお金だけで考えると、大学事務職員はおすすめだと言えます。
しかし、これから出生数が増加し18歳人口の増加も見込めない現状の社会では、トップの大学であれば当分大丈夫だと思いますが、規模の小さい大学の将来は暗いかもしれません。
一方で、今後の記事にも書いていきますが、大学事務職員の仕事は、学生の成長に関わるとてもやりがいのある仕事だと感じています。沢山魅力もあります。これからの記事でも大学の長所短所の両方をお届けしていきますので、記事を参考に大学職員の道を考えてみてください。
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